こんにちは。たなかあきらです。
子供の頃、お気に入りだった文房具。
それは、ひとりで楽しもうと思った、奇妙なオリジナルの文房具であった。
[:contets]
超ミニ、超極短
僕はかなり変わった子供だったのかもしれない。変なこだわりを持っていた。
こだわりというより、探求心、挑戦心と言ってもよいかもしれない。
比べるのが大好きであり、順番を付けるのが好きだった。社会の授業の時は、日本の山の高さを比べて高い順に並べた。川も、湖の広さも、各都市の人口も、同じように比べた。
文房具にもこだわりが反映されていた。
子供の頃は、シャープペンシルが禁止だったので、トンボか三菱の鉛筆を使わざるをえなかった。鉛筆を削るのは電動の鉛筆削り器を、普通の人は使っていた。
僕は、筆圧が強かったので、鉛筆といえどもバキバキと芯を折っていた。これを上手く利用していた。すぐに鉛筆が短くなるので、仕方なく僕はナイフを使って削っていた。
僕の筆箱に入っている鉛筆は、妙に短かった。
このことで、僕の心に火が付いたのだった。僕は挑戦を始めた。
さあ、どこまで短い鉛筆がつくれるだろうか。
その超ミニになった鉛筆同士を並べて、背比べをして順番に並べて、眺めていた。もっと短く、もっと短く。
短くなりすぎて持つことも難しい。超ミニの鉛筆を工夫して使い字を書いて、さらに工夫して極短鉛筆をさらに短くナイフで削った。
最も短い鉛筆は、1cmを切っていたと思う。小学校の低学年の頃であっただろうか。この極々短鉛筆が僕のお気に入りの文房具の一つであった。
妙なことで競争心を持った子供であった。
妙なマニアの導入
僕は消しゴムにも小細工をしていた。こんなことをやっていた小学生は他にはいないだろう。妙な部分にマニアを導入していた。
小学生の頃、僕は歴史が好きだった。戦国大名も大好きだったが、その当時こころを惹かれていたのは、平安時代の貴族だった。
太政大臣、右大臣、左大臣、内大臣、大納言、中納言、少納言。文官装束を着た、平安時代の太政官たちにあこがれを持った。
いまでは全く記憶のかけらも残っていないが、平安時代の太政官の名前を、白いプラスチック消しゴムに刻んだ。
普通に刻むのではなく、コンパスの針の部分を使って、文字を逆に刻んでいたのだった。そして、水性ペンで消しゴムの表面に色を塗って、ノートに押し付けた。
平安時代の太政官の名前が入ったスタンプを消しゴムで作っていたのだ。
太政官スタンプ消しゴムも、僕のお気に入りの文房具で、超極短鉛筆と共に、筆箱に大事にしまって身から離さず学校にも持って行っていた。
一人で楽しむ文房具
このお気に入り文房具は取り扱いに注意が必要であった。
超極短鉛筆は転がりやすい欠点を持っていた。下手に取り出すと、机からコロリと落ちて、どこかへ行ってしまう。不本意にも教室で落としてしまったときには、長時間の努力が台無しになってしまう恐れがある。落胆を経験した僕は学習し、二度と学校にもっていかなかったようだ。
太政官スタンプ消しゴムも悲惨な目にあったことがある。消しゴムを忘れた友達が、僕の筆箱に手を伸ばして、苦労して刻んだスタンプ消しゴムとは気がつかずに拝借したのである。
僕は悲鳴を上げた。
文字の部分は削れて、消しカスに変わっていた。
ごめんごめん。そんな大事なものだとは知らなかったよ。
友達はそうあやまったが、もう遅かった。
大切なお気に入り文房具は、ひとりでこっそりと楽しむべきである、と小学生の僕は思ったのである。
遠い遠い懐かしいけど、ちょっと変わった小学生のお話でした。
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最後まで読んでくださり有難うございました。