こんにちは。たなかあきらです。
僕の部屋はちょっと変わっています。何にもありません。
何にもない部屋に住む
僕の部屋には、殆どものが置いていない。特に、大きなものは何にもない。テレビもビデオもない。冷蔵庫はない。掃除機もない。ベッドもない。椅子も机もなく、ガランとしている。
僕は、物を持つのが好きではないのだ。「欲しいなあ」と思っても、じっくりと考えて「やっぱり、買うのは控えておこう」という結論に達するか、工夫をしてあまり持たなくてもよいように、最小限にとどめる。
知り合いに話すと、
「よく、そんな状態で生活が出来るな。俺なら、退屈で死にそうになる」、
と驚かれる。
「何も買っていないので、さぞかし、お金はたまるんじゃない?」
と聞かれることもあるが、貯金とは無縁の状態が続いている。
僕は物を持つのが好きでないから、有形物にお金を使わず、無形物に多くのお金は費やしている。例えば、食べてなくなる物、飲んで無くなるもの、映画やイベントなどに参加して、たのしんでいる。
僕の部屋をグルリと見回してみる。畳が6枚しかれており、まるで牢屋のようだ。平坦で真っ白な壁が、部屋の周りを取り囲んでいる。殺風景だ。本当に、投獄された様な気分になってくる。
部屋に置いてあるもので、目に出来るものは、白い壁際にたたんだ布団と、ノートPCが一台だけだ。このノートが外界と接触できる、唯一のものでもある。
椅子は無く、座布団もない。だから、畳の上に直接、おっさん座りをして過ごしている。(押し入れの中には、数少ない服などが入っています)
有形物は、いらない、と言ったが、欲しくなることもある。
買うか買わないか
やはり、椅子は欲しい、と思った。コンパクトなもので、無形化に近いものが良い。僕の希望を叶える物がないか探しに、ニトリに向かった。
「折りたたみの椅子はあった。でも結構大きい。座椅子にしよう」
「いや、座椅子は腰が痛くなった事があるので、ダメだ」
「じゃあ、クッションは。ビーズが入ったクッションは気持ちいいよ」
「でも、すぐにへたりそうで、頻繁に取り替えないといけない様だな」
「それも面倒だな、どうする?」
「良い椅子が見つかるまで、取り敢えず、たたんだ布団に座る事にするか」
「そうだな、そうしよう」
僕は椅子を買う事を、断念した。
地べたにおっさん座りをして、ノートPCを扱うのは辛い。姿勢がわるくなり、腰や背中も痛むようになった。
椅子よりも机の方が、重要である事に気がついた。
机は必要だ。コンパクトなもので、無形化できるものは無いだろうか。僕はニトリとイトーヨーカドーに行った。
僕の希望をかなえてくれる様な代物は見つからなかった。もの一つ買うだけで、こんなに苦労しなくちゃいけないのか。第1、コンパクトで場所を取らず、不必要になったら簡単に無形化できるか、分解再利用できる物に限定すること自体に、無理があったのか。
アマゾンの通販で探してみた。以外にあるもんだと思った。これなら、軽いし簡単だし、不必要になったら、普通に燃えるゴミに出せる。
「よし、これを買おうかな」
「ちょっと待った」
「買っちゃダメなのか」
「いや、そういうわけじゃないけど、単刀直入に言うと、ダンボールじゃん」
「まあ、ダンボールのような感じですね」
「君は、デザインとか無頓着だろう。こんなオシャレでなくて、良いだろう」
「まあ、おっしゃる通り、外見は気にしませんが。実用性あるなら、と思います」
「じゃあ、こうしたら。この前、アマゾンで服を買って送られてきただろう」
「ええ。そういうことですか。なるほど。そうしよう」
僕はアマゾンから送られて来たときのダンボールを再利用した。
耐久性もないし、オシャレでも無いかも知れないが、誰にも見られないし、僕一人使うだけである。
必要なものは、結構アマゾンから買うことも多いので、ダンボール箱もたまってくる。タダであるし、これを利用しない訳はない。一石二鳥である。
天地逆になっているのは、開けた側を下にするからである。
最後まで読んでくださり有難うございました。