こんにちは、たなかあきらです。
ぼくは、弁当は好きですか? と聞かれると、まあ好きですと答えます。たいした理由はないと思うけど、弁当箱に詰められた料理を食べていると、ワクワク感や懐かしさを感じるからかな、と思います。
料理だけでなく、弁当には思い出も詰め込まれているのかもしれません。
弁当のワクワク感
普段では出張の際に、駅弁を買って新幹線で食べる程度でした。新幹線に乗る直前に駅弁を買って、ふたを開けて料理をみるまでのワクワクするような心持も、大好きです。小中学校の頃の、遠足に出かけるような気分になりますね。
最近職場が変わって、昼ご飯は弁当屋が持ってくる弁当を毎日食べるようになりました。弁当は2つの弁当箱に分けられていて、1つはおかずが入っており、もう1つはご飯が入っています。
値段は450円。その割に、おかずは肉、魚、野菜を使った料理が5~6品ほど詰められており、量や味的にも結構満足できる弁当になっています。弁当屋の弁当箱は、毎日同じものが使われていますが、「今日はどんな中身だろうか」と、弁当箱のふたを開ける瞬間が、毎日のちょっと楽しみとなっています。
この2つに分かれた弁当箱を眺めていたら、遠い昔の思い出がよみがえってきました。ダンベルのような弁当、と母親が笑ってたなあ。
弁当の思い出
僕は子供の頃は体が小さくて、背の高さ順に並ぶと、クラスではいつも前の方でした。でも、高校の頃には結構伸びて、卒業するころには170cmに迫るまでに成長を遂げました。(その後はゆっくり伸びて現在は171cmあります)
体は小さかったですが食は太くて大食いで、僕が好きだったフライやてんぷらなどは直ぐに食べつくしてしまうので、そんなに作ってこれから人でも呼ぶの?、というくらい大量に料理していました。
僕の大食いは、さらに成長期であった高校生の頃は、凄まじいものだったんじゃないかな、と思います。
中学まで学校給食で高校に上がると、毎日母親が作る弁当をカバンに詰めて学校に通いました。高校に入学して、直ぐに僕は文句を言いました。
「コメが少ない、おかずが少ない。これじゃあ、体がもたんわ」
弁当箱のサイズが大きくなりました。しかし、これも時間の問題でした。しばらくして、また僕は同じ文句を繰り返しました。
「腹が減って、倒れそうだ。もっと弁当の量を増やしてよ」
「もう、弁当の中身はこれ以上増やせないよ。それに、これ以上大きい容器はないよ」
「なんとかしてくれよ。餓死するぞ」
市販の弁当箱では小さすぎ、僕の弁当箱はすでにタッパーウェアになっていました。弁当は英語でpacked lunchといわれる以上に、タッパーウェアに目いっぱい詰め込まれた弁当は、もはや限界になっていました。
そこで、母親はとうとう弁当箱を2つ、いやデカいタッパーウェアを2つ準備して、1つにはおかずを目いっぱい入れて、もう1つには米をぎゅうぎゅう詰めにしました。
「米は目いっぱい入れてくれよ」
「これ以上入れると、お米が潰れて美味しくなくなるよ」
「いや、味より量だ。量が重要だ。だけど、米をたくさん入れると、ふりかけの味が薄くなるんだ。ふりかけも工夫して入れてくれよ」
何とも、我がママで生意気な高校生でした。文句ばかり言って、弁当を毎日作ってくれることには、何の感謝も言わなかった気がします。いつも弁当箱を空っぽにして持ち帰るだけでした。
しかし僕のさまざまな要求に対しても、母親は文句を言わず、毎日応えてくれました。今になって、母親の苦労とありがたさが身に染みるようになりました。
今の大きな思い出は、その時のふりかけの工夫です。味が薄いという僕の要求に対して、さらに米の上に掛けてふたをすると、開けたときにふたにひっついて嫌だ、という僕の文句に対して、母親は米を少し入れてふりかけをかけ、その上に米を入れてまたふりかけをかける、ふりかけと米を何層かにして入れてくれました。
こうして、僕はおいしいふりかけご飯を、毎日満足して食べれるようになったのです。今思うと、とてもありがたく感謝したいことです。
そんな大量の米とおかずが入った弁当箱を教科書と共にカバンに詰め込んで、自電車通学をしていました。さすがに、弁当箱が大きすぎ、カバンが自転車のかごに収まりきらず、無理やり押し込んではみ出しながら自転車に乗っていました。
あまりのカバンの重さに、母親は、まるでダンベルを入れているようだね、と冗談で言っていました。
感謝の弁当
それから数十年たった今、また会社の社員食堂で、弁当屋の弁当を食べています。高校の時の弁当について思い出していました。
弁当屋の弁当は、ダンベルのように重くないですし、常識レベルの大きさです。中年くらいの大人なら、ちょっと多いかな、という量です。僕の同僚の多くは、米やおかずの量が少ない一回り小さい弁当を買っています。
「高校の頃は、メチャクチャ食べていたなア。多分、今食べている量の2~3倍くらいは食べていただろうな。よくそんな量を食べれたと思うし、母親もよく作ってくれたなあ」
それから数十年たった今でも、僕はやはり大食いです。痩せの大食いは治らないようです。弁当屋の弁当の量では、ちょっと足りないなあ、もう少し多いといいなあ、と思いながら、毎日弁当を食べているのでした。
毎日、弁当を届けてくれてありがとうございます。美味しく頂いています。お陰様で、毎日夕方まではエネルギーが切れずに仕事が出来ています。また明日もよろしくお願いいたします。
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最後まで読んでくださり有難うございました。