こんにちは。たなかあきらです。
「あなたのソウルフードは何?」
と聞かれると、何と答えるだろうか。
好きな料理ではなく、食べると元気になる料理である。落ち込んでいても、その料理を食べると、力が湧いてきてやる気を取り戻す料理である。
僕のソウルフード
子供の頃から僕はよく食べた。
「本当によく食べるなあ」
どこへ行っても、そう言われた。
ひょっとすると僕の特技かもしれない。アルデンテでも、クタクタになってしまっても、インスタントでも構わない。なんでも美味しくお腹いっぱい頂くことが出来るのだ。
お前の舌が鈍感なんじゃないか
と言われそうだが、僕は特にグルメでもなく、味にこだわりも持っていないので、何でも美味しくいただけるのだ。幸せなことかも知れない。
ラーメンもうまいし、寿司も大好きだ。うなぎも最高だね。
しかし、どんな料理を並べても、譲れないものがある。ソウルフードである。
僕のソウルフードはナポリタンである。最初から知っていたわけではない。パスタはもともと好きだったので、レストランに行くことも多かった。
どのパスタも好きで、メニューにもいろんなパスタがあるのに、気が付くとついナポリタンを頼んでいる。ナポリタンと聞くだけで、食べたくなってしまうのだ。
なぜだろうか。懐かしい感じがする。
ナポリタンなら何でもいい。どちらかというと、ウィンナーが入っていてケチャップがベタベタと多く入っていて、パスタはクタクタだけど、ちょっと焦げてしまっていると、なお良い。
グルメでないはず、味にこだわらないはずの僕はいつしか、そんなナポリタンを求めるようになった。
ナポリタンの追憶
遠い記憶が蘇ってくる。
僕は子供の頃から大食らいだったので、母親は何でも大量に料理して食卓に並べてくれた。
パスタもよく作ってくれた。母が作るパスタはナポリタンが多かった。
何の変哲もないナポリタンだった。ピーマンや玉ねぎが入っていて、ウィンナーは僕が好きだったので、欠くことがなかった。
僕は大食らいなのでパスタの量も大量となり、入れるケチャップの量も大量となる。
家庭用のフライパンでは上手くこなし切れず、火が通るまで時間を要するので、ベタベタするけど焦げてしまうところがあったのでは、と推測する。
子供の頃、僕は母が作るナポリタンに慣れ親しんでいた。
たっぷりと粉チーズを振りかけて、大量に作ったナポリタンを僕は食べ尽くしていた。
母のナポリタンを食べると、笑顔になった。元気になれた。学校で先生に叱られても、友達にいじめられても、嫌なことがあっても、ナポリタンを食べると忘れることが出来た気がする。
母親は、色んな料理を大量に作ってくれた。僕はナポリタンと同じように、ハイエナのごとく食べ尽くしていた。数ある好きな料理の中で、なぜナポリタンが僕の中でソウルフードになったのかは、いまだに不明だ。僕はそれが知りたい。
ソウルフードの答えを求めて
母親も既にこの世にはいなかった。
僕は、その答えを知りたい。なぜ、ソウルフードがナポリタンなのかを。僕は、懐かしの味に出会いたい。母が作るソウルフードを、再び味わいたい。
だからなんだ。
僕がナポリタンの食べ歩きを始めたのは。
麺はクタッとしていて、ケチャップがたっぷり入って、ちょっと焦げ目があれば最高だ。うれしくなる。最高級の、美食ナポリタンは必要ない。
子供の頃の記憶、母との記憶を思い出させてくれ、僕に元気を与えてくれるナポリタンが良いのである。
これが僕のソウルフードなんだ。
今日もこれからソウルフードを求めて答えを求めて、ナポリタンを食べに行こうと思う。
最後まで読んでくださり有難うございました。