あきらのあきらめないブログ

肩こり、背中こり、首こりと戦い、胃酸過多に苦しみ、ダイエットは得意なアラフォーを越えてしまった、オッサンです。健康になるために、あきらめず奮闘する内容を書いています。また普段は他で歴史ブログを書いています。

あなたのモーニングの定番は?

お題「朝ごはん」

 

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モーニングの風景

 

おはようございます。たなかあきらです。

「あきらってさ、朝ごはんはパン派 、ご飯派?」
「朝ごはん?ん、そうですね。僕は朝ごはんを食べないから、どちらでもないですね。敢えて言うなら、コーヒー派かな。今の朝はコーヒーだけですよ」

「ああそうか。いつから、コーヒー派なんだい?まさか、産まれてからずっと朝ごはんを食べなかったわけじゃないでしょ」

 

たなかは、ゆで卵をテーブルの角でコンコンと叩きながら、顔を上げた。

 

「そうですね。朝ごはんを食べなくなったのは社会人になってからです。夜飲む事が多かったり、朝食べると胃の調子が悪くなったりしたので、朝は食べないようになったのです。もちろん、子供の頃は食べてましたよ。戦場のようでしたけどね」

 

あきらは、カップをゆっくり持ち上げ、そっと一口コーヒーを飲んだ。

 

「いつも、家を出るギリギリまで寝ていたんで、起きてから家を出るまでは、ドタバタの戦場でしたね。着替えに歯磨き、更に授業の準備まで朝にやってました。その合間を縫って、朝ごはんを押し込んでいましたね」

 

「押し込んでた?」

 

たなかは下を向きながらゆで卵の殻を向き始めた。

 

 「ええ。朝ごはんはパンと牛乳だったんだけど、今、思い出すと、行儀は悪かったですよ。パンを口に押し込み、モグモグしながらカバンに必要なものを詰め込んで、さらに牛乳で流し込んでましたね」

 

「へぇ、あきらさんが、そんなんだったとは、想像できないなあ。親は怒ったでしょう」

 

「当然ですよ。毎日怒られてましたね。何でもっと早く起きないのか。何でもっと早く寝ないのか。何で夜に準備しておかないのか。何で、何でってね」

 「まあ、どの家でも、親の口癖は同じだなあ」

 

「とくに母親はそうでしたね。父親は隣でだまって、味噌汁をすすってましたわ」

 「家庭内でパン派とご飯派に分かれてたのかい。連帯感ないなあ」

 「とにかく、早く食べないといけないので、父親に合わせてなんかいられませんでしたよ。さらに早く食べれる工夫をすることも、ありましたよ。牛乳はぬる目に温めて、パンを牛乳に付けてふやかしてたんです。こうすると、丸のみできますしね。もう、なんと言うか、味って食べるレベルじゃあ無かったですね。とにかく、短時間で腹に入れて、昼まで持たせる。今の、ウィダーインゼリーみたいに便利なものや、カロリーメイトすらなかったからね」

 

「へぇ〜」

 

たなかは、照明でつるりと光っている、殻をむきたてのゆで卵に見入っていた。

「これが楽しいんだよなあ。どれだけ早く、しかも綺麗につるんと剥けるか、挑戦なんだ。たまに、全然うまく向けない時があって、殻に白身がひっついて、ゆで卵がボコボコになる時あるよね。めちゃ腹立つでしょう。なんだこのゆで方は!ってね。今日は、うまく綺麗にできただろう。気分いいなあ」

 

「お待ちどうさま」   

 

店員が、たなかが注文したモーニングのトーストを持ってきた。焼き上がりの香ばしさが漂ってくる。素早くたなかはトーストにバターをぬった。バターはあっと言う間に溶けてパンに染み込んだ。

たなかは、ツルツルのたまごに、塩をチョンチョンと付けた。 

 

「うっ、うめえ〜。あきらさんよ、やっぱりサテンのモーニングには、ゆで卵とトーストは欠かせないよな。定番だ。うめっ」

 

たなかが美味そうに食べるのをじっと見ながら、あきらは、コーヒーをゆっくりと味った。

ゆったりと朝を平和に楽しむのはいい。毎日が、こんなモーニングなら嬉しい。昔は、本当に戦場だったな。

 

「店員さん、店員さん」

「はい、今行きます」

「ええっと、ホットミルクの追加をお願いします。ぬる目にお願いしますね」

「はい。少々お待ちください」

 

たまには、コーヒー派を休んで、昔を懐かしみながら、ゆっくりとモーニングを楽しむのも良いだろう。あきらは、今日はそう思った。

たなかあきら 

 

 

最後まで読んでくださり有難うございました。